春に咲く桜は日本を象徴する花で、着物の柄としても多く使用されます。本記事では、桜柄の着物はどのように着用すればよいのか、着こなしのコツや注意点を、桜柄の意味とともに解説します。

 

着物の桜柄にはどのような意味がある？

日本の国花である桜は、日本を象徴するとともに日本人にとって古くからなじみ深い花です。それだけに、着物の柄としても多く使用されています。

桜は、寒い冬を乗り越えた春に咲く花です。日本において春は新しいシーズンの始まりなので、春に咲く花である桜をあしらった着物には、物事の始まりという意味があります。昔は桜の咲き具合で穀物の農作物の出来を占っていたため、桜は五穀豊穣を表し、繁栄や豊かさも象徴します。

また春になると山の神様が降りてきて、穀物の神様として桜の木に宿るといわれることからも、桜柄は縁起が良い柄です。

 

桜柄の着物を着るのにふさわしい季節とは

桜は春を連想させる花ですが、桜柄の着物は一年を通して着られます。しかし桜の描き方によっては桜が咲く季節のみに限定して着用できるものがあるので、桜柄の着物を選ぶときは注意する必要があります。

 

通年で着用できる桜柄の着物

通年で着用できる桜柄とは、桜の花や花弁のみを描いたもの、もしくは菊や楓など他の季節の花と一緒に描かれたものです。また桜の花や花弁をデフォルメしてデザインされた桜紋または桜家紋も、一年を通して着られる桜柄です。

 

着用できる季節が限定される桜柄の着物

着用できる季節が限定されている桜柄は、桜が単独かつ写実的に描かれている、また花弁とともに枝や幹も描かれているものです。このような桜柄の着物は、桜が咲く季節のみの着用に限定されます。

ただし桜が咲く季節であっても、本物の桜には及ばない写実的な桜柄を満開の時期に着るとやぼったい印象を与えることがあるため、春先に着るのがおすすめです。

 

桜柄の着物をスマートに着こなすコツ

さまざまな場面で着物を着る機会はありますが、桜柄の着物を着る際はどのような点に注意すべきでしょうか。入学式や卒業式、結婚式で桜柄の着物をスマートに着用するために押さえておきたいコツをご紹介します。

 

入学式・卒業式

子どもの入学式や卒業式は春に行われるため、桜柄の着物を着て出席するのに良い時期です。しかし、派手な色やデザインの桜柄の着物を選ばないよう気を配る必要があります。入学式や卒業式の主役は子どもです。派手な桜柄の着物で子どもたちよりも目立ってしまうことはマナー違反になりかねません。

入学式や卒業式で桜柄の着物をスマートに着るには、派手な桜柄や目立つ色合いなど、主張が強過ぎる着物を避けるのがポイントです。目立ち過ぎないよう、主張を抑えたデザインを選びましょう。

 

結婚式

結婚式では、新郎新婦の親族は振袖や黒留袖などのフォーマルな着物を着用するのがマナーです。門出の花の象徴でもある桜は、婚礼衣装やフォーマルな着物にもよく使用されます。

ゲストとして結婚式に出席するのであれば、桜柄の着物でも問題はありませんが、結婚式の主役はいうまでもなく新郎新婦です。入学式や卒業式と同様に、新婦よりも目立つような豪華で派手な柄や色の着物は避けるべきです。

 

桜柄の着物と合わせるアイテム選びのポイント

桜柄の着物を着る際は帯選びに気を付けましょう。花柄をあしらった帯を選ぶと、着物と帯の華やかなデザイン同士がけんかし、また見た目も雑然とした印象となってしまいます。桜柄の着物には無地の帯、もしくは花以外の柄の帯を合わせるのがおすすめです。

桜柄の着物に羽織を合わせる場合は、着物または帯の色を取り入れてみましょう。羽織の場合は着物と同じ柄を組み合わせることができます。その際は、着物と羽織の反対色を帯に選ぶとメリハリが生まれ、明るい印象にまとめられます。

 

桜柄の着物を着用する際の注意点

桜柄の着物は、主に桜が咲き始める春先に着ることが多いですが、その場合に注意したいのが桜の開花状態です。桜の開花は地方によってタイミングが大きく異なり、早い場所では3月下旬に咲く一方で、東北北部や北海道では4月下旬から5月上旬と、1カ月近く開きがあります。

桜柄の着物を着るのを春とだけ認識していると、桜の開花状態と合わないコーディネートになってしまいます。着物で季節感を表現するためにも、カレンダーにはこだわらずに実際の桜の様子を見て着用するタイミングを検討しましょう。

桜柄の着物の中には、桜の花びらが散っている様子を描いた柄もあります。このような柄も、開花前や満開の状態で着るのは季節感といまいち合いません。桜が散る柄はタイミングを見計らい、桜の散り始めから散り際に合わせて着用しましょう。

 

桜柄の着物の歴史と現代のトレンド

桜柄の着物は古くから日本文化に根付いていますが、現代のトレンドにも影響を与え続けています。ここでは桜柄の着物の歴史と、現代におけるトレンドについて紹介します。

 

桜柄の着物の歴史

桜柄の着物は、平安時代からその美しさと象徴性から人気を博していました。当時の貴族たちは、季節ごとに異なる花柄の着物を着ることが一般的で、桜柄は春の訪れを祝う特別な着物として愛されていました。

江戸時代には、桜柄の着物はさらに広まり、庶民の間でも人気となりました。この時代には、桜の花びらや枝を写実的に描いた豪華なデザインが多く見られました。

 

現代のトレンド

現代では、桜柄の着物は伝統的なデザインだけでなく、モダンなアレンジが加えられたものも多く見られます。デザイナーたちは、伝統的な桜柄に新しい要素を取り入れ、現代のファッションと融合させることで、若者からも支持されています。

また、桜柄の着物は日本国内だけでなく、海外でも人気が高まっており、日本文化を象徴するアイテムとして注目されています。

 

桜柄の着物を選ぶ際のポイント

桜柄の着物を選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。

 

デザインの選び方

桜柄の着物には、写実的なデザインからデフォルメされたものまで様々な種類があります。自分の好みや着用するシーンに合わせて選びましょう。例えば、フォーマルな場では控えめなデザインを選び、カジュアルな場では華やかなデザインを楽しむことができます。

 

色の選び方

桜柄の着物の色選びも重要です。一般的には春をイメージさせる柔らかい色合いが好まれますが、自分の肌の色や髪の色に合ったものを選ぶとより美しく見えます。また、帯や小物とのコーディネートも考慮して色を選ぶと良いでしょう。

 

素材の選び方

着物の素材にも注意が必要です。季節に合わせて適切な素材を選ぶことで、快適に過ごすことができます。例えば、春や秋には絹や綿の着物が適しており、夏には涼しげな麻の着物が良いでしょう。

 

まとめ

桜柄の着物は柄の違いによって着るタイミングやコーディネートに工夫が必要ですが、コツを押さえれば季節感を出した着こなしができます。

春の京都を桜柄の着物を着て散策したい場合は、京越での着物レンタルがおすすめです。トレンドを押さえた着物から定番デザインまで、約3万着もの着物から好みのデザインを選んで、美しく着付けてもらえます。桜の季節に着物で京都を歩く場合は、ぜひ京越へお越しください。

 

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